適応障害
適応障害は、学校や職場で人間関係がうまくいかない、子供が生まれた、介護がはじまった、など生活が変わったタイミングで起こることが多く、不安感、抑うつ気分、いらいら、思考力低下、意欲低下、不眠、学校に行けない、出勤できない、家庭生活が辛い・・・などの問題がおこり、日常生活や社会生活に支障をきたした状態です。食欲不振、肩こり、過食、嘔気、だるさ、頭痛、動悸、過呼吸など、身体症状を伴うこともあります。環境変化は私達にとってストレスになりますが、対象となるストレスに対して不釣り合いなほどの不調が出た状態です。ストレス場面から離れると症状がなくなることから、周りの人たちの基準で判断をされて、気のせいだ、本当に悩んでいるのか、そんなことでそこまで悩まなくても、など理解されないことも少なくありません。症状の原因ははっきりしている事が多く、原因から離れることで症状の改善が見込めます。しかし現実には、転職や転校などの方法で環境を変えることが難しい場合の方が多く、ストレスの原因から離れることが出来ずに症状が長期間続くこともあります。
治療
まず発症の原因を取り除くことができる場合には、原因を取り除き休養をとることが望ましい解決策です。現実的にストレスを取り除くことが難しい場合には、一時的に距離を取るなど、受けるストレスを減らすことが出来るよう、職場や学校などを交え相談をしていきます。例えば職場であれば、配置転換や、時短勤務だけではなく、心身ともに疲弊をしきって仕事にならない状態に陥ってしまっている場合には休職などの手続きをして、自宅療養をすることが望ましいです。また、再発を予防するため、ストレスの原因と上手く距離を取り、それぞれの方にあった対処が出来るようカウンセリングをします。ストレスに対して自分なりの対処法を確立し、同じようなストレスに対して、受ける気持ちの負担を軽く出来るようにします。お薬は、例えば不安や不眠の改善に睡眠薬や抗不安薬を使用し、うつ状態に対しては抗うつ薬を用いることがあります。しかし、適応障害の場合、お薬は対症療法ですので、必要性を慎重に判断し治療を行います。